高峰秀子 著 大倉舜二 カラー撮影 杉本正光 レイアウト 文化出版局 1975年 ハードカバー ジャケット付 197ページ サイズ:242×188mm
高峰秀子のエッセイ集。暮しのたのしみ、食べある記、春愁秋思の三部構成で燭台、キイ・・ホルダー、水さし、おべんとう箱、白ゆり、コスモスなどカラー・モノクロ図版とあわせてエッセイを収録。
いまの私はいったいなんだろう? 主婦、雑文書き、古道具屋の女主人、そして女優もやっております、というところだろうか。「本職は?」と人に聞かれても返答に困る。
結婚以来、私は少しずつ自分の道を歩きはじめ、女優のセリフではない"自分の言葉"をしゃべりはじめた。月日も浅いことなので、その言葉を全部集めても小さな瓶を満たすにもおぼつかないのが恥ずかしい。
中身の薄さをゴマ化すために、「瓶の中」という題字は尊敬する梅原龍三郎先生に甘えた。
梅原先生はいま、画家の命である眼を病んでいられるが、ほとんど見えない眼でウンウン言いながら、表紙の字を書いてくださった。この本はたぶん、私の最後の本になるだろうが、立派な晴れ着を着せていただいてしあわせである。(はしがきより)
状態は、ジャケットに3箇所破れ・角に傷み有。ページ上部に打ち跡有、見返しに剥がし跡有。