ココ・カピタン. apartamento, 2023. Hardcover. Text in English. Size: 292x245mm.
スペイン人フォトグラファー、アーティストのココ・カピタン(Coco Capitan)の作品集。
「 ダリはいつでもどこでも、年中無休で制作に励んでいましたが、大規模な油彩作品に取り組むときは夏に限られていました。その真の恍惚は夏の暑さと共に訪れるものだったのです。」
本書は、スペインのコスタ・ブラバ海岸に位置するサルバドール・ダリ(Salvador Dali)の邸宅を撮影した作品を収録しており、その芸術家のシュールな自宅とアトリエを垣間見る貴重な機会を提供する。ダリが1930年代初頭に買い取ったこの家は、彼の主要な居住地兼制作空間として機能し、「 記憶の固執(The Persistence of Memory)」(1931年)を含む代表作が生まれた場所でもある。
カタロニア人建築家、 オスカー・トゥスケ(Oscar Tusquets Blanca)による序文では、彼とダリの15年にわたる友情を振り返る。また、作者による新たな写真群は、ダリが「太陽が昇るのを見た最初のスペイン人である」と主張したこの邸宅を、彼を地中海の漁村ポールリガットに引き寄せた黄金の光が降り注ぐ中で捉えている。その写真は、ダリの家を生命と芸術の活発な創造の場として読者を誘う。ダリのアトリエの古びた日用品は、彼の悪名高い剥製コレクションの写真、ハリウッド女優メイ・ウェスト(Mae West)の口がモデルになった象徴的なソファ、そして本書の版元である「APARTAMENTO」のベストセラーでもある、『THE MODERN ARCHITECTURE OF CADAQUÉS: 1955–71』も形作った特徴的な白い外観とともに登場する。
ダリの家を撮影したときに書き下ろした詩が本書の表紙と裏表紙を飾っており、ひとつの表現媒体にとらわれない作者の内省的なアプローチを象徴している。これらの体験談を通じて、本書は「ダリニアン(ダリ的)」な創造物であり、アーティストの決定的なスタイルの目撃者でありインスピレーションでもある、風変わりな空間へ特別に導いていく。(twelvebooks)
*新刊です