奥山由之. 赤々舎, 2017. Hardcover. Text in Japanese and English. Size: 260x225mm.
奥山由之の作品集。本書は、ある村で暮らす友人家族や、その周りの人々を撮影した写真を収めたもの。
四つの章から成るこの作品は、友人である哲朗さん一家が住む長野の村と、彼が作り上げたプールでの出来事、そして吉祥寺キチムでの小さな舞台を記録した写真で構成されている。僕が初めて哲朗さんに会ったとき、彼は大雨でぐちゃぐちゃになった沼のような道を裸足で歩いてきては、笑顔で挨拶をしてくれた。あの時に感じた彼の気配は、他の誰にもみたことのない澄んだ色をしていて、やはり周囲にはその音に引き寄せられるようにして集まる人々がいた。僕にはそんな環境が、とても柔らかな球体に見えた。ある時から止まってしまった写真の気配をもう一度再生してくれたのは、紛れもなく彼らの生活だと思う。(本文より)
状態は、特に問題ありません。