吉増剛造 著 1981年 初版 ソフトカバー 函付 135ページ サイズ:230×180mm
吉増剛造のエッセイ集。1977年から1981年にかけて「教育音楽」に連載された文章をもとに編まれた1冊。
連絡船にのった、二等船室は魚の匂いがする。北上してくる雨期を逃げるようにして、クルマにとびのり、東北自動車道(もう盛岡南まで開通していて、二年前の夏は一ノ関あたりが混雑して大変だったが)をひた走り、例によって下北の「はまなす道路」(私はこの二年でここを五、六往復してる)恐山をめざして走って、しかし今回は恐山を素通りしてさ(イタコさんやカラス達、申し訳なし)と、まるで定期便の運転手さんのような気分になって、青森のドライブ・インでは、焼き肉給食と云ふ(わざと旧音を使いました)のをとって、一路走って行ったのです。
(「静かな家」より)
状態は、函にヤケ、少シミ、縁に傷み有。本体天地小口にスレ、少ヤケ有。