増山たづ子 写真. 小原真史, 野部博子 編. IZU PHOTO MUSEUM, 2014. Softcover with dust jacket aand obi. 396pp. Text in Japanese. Size: 200×170mm
増山たづ子の写真集。IZU PHOTO MUSEUMでの展覧会に合わせて刊行されたもの。
揖斐川の最上流部にあたる岐阜県徳山村にダム計画が持ち上がったのは1957年のことでした。村を水没させる徳山ダム計画が1977年に本格化すると、農業の傍ら民宿を営んでいた一人の女性が村の写真を撮りはじめました。後に「カメラばあちゃん」と呼ばれる増山たづ子です。戦争で夫と弟を失った増山は「国が一度やろうと思ったことは、戦争もダムも必ずやる」と思い、せめて残せるものを残そうと60歳を過ぎはじめてカメラを手にしました。
トレードマークのカメラ・ピッカリコニカを片手に毎日のように撮影し、被写体となった人々にも写真を配りました。年金のほどんどをつぎこんでの撮影は、いつダムになるとも知れぬ切迫感の中で続けられ、部屋はアルバムで埋まっていきました。その行為はまるで村のすべてをアルバムの中に写し込もうとするかのようでした。(序文より)
状態は帯にシワ有、本体天に少しシミ有。